新章・邪淫のいけにえ ～触手姫の種子～

ストーリー

それは遠い昔の物語。

西方大陸の国々は地中海を隔てた、南の暗黒大陸に棲む魔族に脅かされていた。

しかし危機的状況の中、人類は死闘の末に魔族の侵略軍を撃破すると、

十余年に渡る長い戦いによって、ついに魔族を討ち果たしたのだった。

それから数世紀が経ち、魔族との戦いの記憶も薄れていった、ある年のこと。

諸国連合によって統治されていた暗黒大陸で『混沌』による災禍が発生した。

混沌――それは人間や動物に寄生する、異形の怪異。

災禍は南の暗黒大陸から中東、そして東方へと広がり、やがて西方諸国へと伝播する。

やがて混沌の災禍――『這い寄る混沌』は一つの王国を壊滅させたが、王女だけは城を脱出。

しかし、彼女にも混沌の追っ手が迫る。

まさに絶体絶命のその時。

一陣の風と共に、黒髪の少女が現れ名乗りを上げた。

『わたしはサツキ！　異世界転生の勇者ですっ！』